
30数年前から何度となく訪れているパラオ。これほど同じダイブサイトに通うのは他にあまりないのではないでしょうか。
『・・・・・・週末のパラオ』というフレーズのTVコマーシャルがありましたが、時間圏とアクセスのしやすさだけではなくダイブサイト自体のバリエーションの多さと魚種、魚影の濃さがピカイチのパラオ。垂直の壁が一気に600mまで落ち込む「Big Drop Off」。大きなサメが手の届きそうな距離で悠然と泳ぎ、ギンガメアジの大群が雲のようにダイバーの頭上で回る人気No.1ポイントの「Blue Corner」。ロックアイランドを抜けジャーマンチャネルを疾走するボートから見るパラオの海の碧さ! 水中の景色もさることながら水上の景色にも目を奪われる正しくダイバーのための島と言っても過言でなないパラオへ!

前回から1年3か月ぶりのパラオです。今回もダイブクルーズ専用ボート『龍馬』でパラオの豪快な海を潜ります。福岡~成田~パラオのルート。深夜にパラオ到着。
翌日3ダイブ・次の日は4ダイブ・最終日は1ダイブの計8ダイブのスケジュール。5日間の行程です。

初日のファーストダイブは午前10時。ウーロン海域で3ダイブです。(グラスランド・シアスコーナー・ウーロンチャネル)午後からは晴れ間も見え始め、心が吸い込まれるような濃紺のグランブルーから、キラキラと光輝くエメラルドブルーと水深に合わせ海の表情がきりかわる豊かなパラオの海に心を奪われ、参加者の皆さんも気持ちが昂ります。
温暖化の影響で心配されている珊瑚たちもパラオでは元気ハツラツ。水温も27℃~29℃と暑すぎず冷たすぎずと、心地よい水温が、豊饒の海を育んでいるのでしょうか。
珊瑚が元気ということはそこを住処にする魚たちももちろん元気。相変わらずの魚種、魚影の豊富さには驚かされます。カメラ派ダイバーの皆さんも被写体には全く事欠きません。

2日目は朝から眩いばかりの日差しがポイントに向かうダイバーを照らし出します。
今日はジャーマンチャネル・ブルーホール・ブルーコーナーともう1ダイブの合わせて4ダイブ。ダイバーの憧れのコーナーは、丁度良い潮の流れで、皆さんカレントフックを使ってしっかりと体を固定して両手を空けて撮影に夢中になっています。頭上のギンガメにバシャ!すぐ前を泳ぐリーフシャークにバシャ!またまた頭上に来たカメに向かってバシャ! 実際今のカメラはシャッター音は出ませんが夢中でシャッターを切りまくる姿はそのダイバーさんの興奮度が分かりますね。私はそのダイバーさんたちの前へ回り込みビデオ撮影。皆さんビデオライトに照らし出されると笑顔で『OKサイン』をくれます。確り楽しまれている様子を撮影しながらも水中景観も・・・・。

1.5m以上のグレイリーフシャークが私たちを睨みながら触れそうな距離を行き交い、中層にはバラクーダ、マダラタルミ、ホソカマス、クマザサハナムロ、ウメイロモドキが目の前を通過していきます。岩壁に群れるカスミチョウチョウウオが真っ青な海の色に黄色と白のアクセントをつけてくれます。キンギョハナダイも鮮やかなオレンジ色で緊張するダイバーさんたちを和ませてくれます。前方から向かってくる大きな大きなGT(ロウニンアジ)。振り返れば後ろからのぞき込むかのように大きなナポレオン。皆さんはナポちゃんを取り囲み、しばしの撮影タイム。確かにここはダイバーのパラダイスです!
※カレントフック:金属の爪のついた1mほどのロープを岩のくぼみなどに引っ掛け、体を固定します。浮力をプラスにすれば両手が空き撮影もスムーズに。

さてさて、クルーズ中の食事はすべて2階のデッキで取ります。
早朝ダイブの後の朝ご飯はダイニングを照らすお日様と心地よい海風が一層南の島の雰囲気を盛り上げてくれます。お腹がすいた皆さんはベルの音が聞こえたらダイニングへ・・・。朝食はごはんに味噌汁、煮物、目玉焼き、海苔、漬物。アメリカンブレックファーストはミルク、オレンジジュース、食パン、ベーコン、ハム、目玉焼きも。
昼食・夕食はビュッフェスタイルをとりながらも冷やしソーメンにうどんや親子丼、肉丼など(パスタなども)、日本人シェフが日本人の舌に合うメニューを用意してくれています。これが本当に美味しく皆さんからのクレームはゼロ。

そうそうアフターダイブはアッパーデッキのジャグジーで温まりながら、沈みゆくパラオの夕日を眺めるのは至福の時です。忘れていましたビールを飲みながら!
夕日に照らし出された皆さんの笑顔、笑顔、笑顔、引率の私はホット一安心。
いつの間にか日ごろの喧騒の中、あわただしく過ごしていると忘れてしまっていた大事な心のゆとりを、ゆっくりゆっくりと解きほどいてくれるような優しい夕日が皆さんを包み込んでくれます。

『龍馬』のスタッフもしっかりと教育なされているのでしょう。乗船から下船まで、もちろんダイビングのフォローもすべて心配り・気配りが抜群です。行程全8ダイブを、感動と感激。それに優しい気持ちを取り戻す至福の時間がゆっくりと過ぎていきました。最終日の1ダイブ完了後は一旦、上陸してホテルへ。散策や買いものの時間です。
夕食はホテル前の日本人に人気のレストランで打ち上げの乾杯!!
次から次からテーブルに運ばれてくるマグロやハタ、貝柱の刺身や蒸し魚、野菜の炒めもの、マッドクラブにタロイモのコロッケ。鶏のから揚げ、炊き込みご飯にお吸い物。デザートはペパーミントのアイスなどなど食べきれない量です。何度も何度も乾杯し笑い声が尽きない晩餐。皆さんの笑顔が今回のツアー成功の証ですね!!大変大変お疲れさまでした。またご一緒しましょう!
2018年 2月 今林 忠義