バリ・コモド
調査ダイブ報告 No.3」


2001年 5月 今林 忠義


 15日(3日目)
明け方ビマの港に入港、水の補給時間に町を散策。ロバか馬かラバかは分からないが小形の馬が引く屋根つきの小さな馬車で繁華街まで足を伸ばす。今や国内海外の区別が分からなくなるようなお馴染みの大手飲料水メーカーや、その他の目になれた看板などもなく、観光客の姿も見えず、はるばる遠くに来たことを実感させられる散策でした。
ビマ出航後、3DIVE+ナイト1DIVE。
ビマの北西に位置する火山島。1999年に噴火して住民は本当に移り住み今は無人島。海岸線は山の裾野といった感じで崩落の爪あとが残るが、そのほかは木々が茂り綺麗な島。溶岩が流れ落ちて凝固した海岸から数メートルの沖でエントリー、「思った通り海底が火山岩の岩砂で暗く感じる。「黒い色のチンアナゴでも見つかるかな?」と思いつつ潮に乗り数十メートル移動すると被害を免れた珊瑚礁の海底がひろがり無数のデバスズメやハナダイが群る。比較的浅い深度の為か明るく、ソフトコーラルもカラフルで沖縄の海底を思わせる。その後、日中2ダイブし1ナイト。
 今日は山ア氏を残し私と緒方氏も潜る。マクロ目になり岩陰や珊瑚に隠れている生物を覗きこむ。いつやってもナイトは特有の面白さがある。周りに気を取られないで一つの生物をゆっくり観察できる。昼間お目に掛かれない生物の捕食活動や、眠りについた魚達にズームインでき意外な光景にも出会える。MAX10m/35分のダイブプランでエントリー。夜光虫はそれほど多くはないが、ライトに浮き上がった海底はカラフルで素晴らしい。お馴染みの眠りブダイ、カメ、カニの散歩(マッドクラブ?)アカモンガラの頭隠して尻隠さず、イカリナマコのもうこれ以上伸びきれないまでの姿、私は気持ちが悪いのであまり近づかないように遠回りしようとすると、例のよくしゃべるジュリアナが、私にライトでサインを送る。「こちらに来いと誘うので近寄って彼女が照らすところを見ると、あの毒々しく気持ちの悪いイカリナマコが海底を這っている」「OK、OK見た見た、のサインもそこそこ、その場を離れようと数メーター泳ぐとまたサインでこっちに来いと言う。仕方がないのでまた行くと、今度はそれを触ってみせ、私にもさわれと催促する。」逃げるが勝ちとその場から一目散に泳いだが、その夜の食事の時間はジュリアナが皆にそのことを暴露して、私はいい笑いものにされた。(この〜っ!)その他ウミシダのダンス。色々な柄と色合いのウミウシ。(実際、今回の調査でウミウシの種類の多さにはビックリ。まっ黄色のコンペイトウのようなウミウシには感動しました。いいオッサンがなぜ感動したのか分かりませんが・・・・。)
 16日(4日目)
早朝、目的地のコモド島の入江にアンカリング。朝食後、テンダーボートで上陸。木組の簡単な桟橋が30mほど突き出ている。陸にはコモドドラゴンパークの看板があり、そこを過ぎるとすぐにお土産屋が並ぶ。と言っても簡単な手製の木机の上にドラゴンの木彫りや現地の神様を模ったと思われるお面、真珠のネックレス、ブレスレットが置いてあり、現地の人が「パパ、パパと声を掛けてくる。帰りのボートに乗りこむまで追いかけてきてそばを離れず強引に押し売りをする。マイッタ。」公園の係官の案内で施設の中を通り、いざ密林へ・・・?と思いきや施設内の係官宿舎(多分)の周りにデ〜ンと居る。始め皆「置物と思っていたが、近づくと・・・?やはり置物!?もう少し近づこうとすると係官が制する。ヒエ〜ッ本物、本物!!」小学3年生の時から爬虫類が大嫌いな私はいつでも一番に逃げられるようみんなの後ろから肩越しに覗く。」「全く動かない。死んでいる様にも見える。山ア氏がかなり接近し手を伸ばしてシャッターを切る。もう少し接近すれば反応があるかもしれないのに・・・。人事だからいいのである。」「緒方さ〜ん、尻尾を持つて振り回したら一万円〜…・。やはり緒方さんも命は惜しいらしい。尻尾を握ろうとしない。」チョット先にいたジュリアナが声をあげる。「ここにも居る!」みんなで移動する「やはりジットしていて死んでるようだ。」また、かなり接近して山ア氏が撮影している。そのうち首をもたげて立ちあがり舌を40cmほどペロペロ出しながら山ア氏へ近づく。山ア氏は逃げるどころか反対により接近している。「あそこで躓いて転んだら、多分食べられてしまい、新聞に載り一躍有名人になるな
〜っと、頭のすみで思う」人事だから。そのうちもう一匹あらわれ老衰で動かないヤツと合わせ4頭が私達の周りに居る。「私はいつでも逃げ出せるように一番離れたところで見物」ロウレンスが「この先のジャングルをハイキングする2時間コースがあるが、どうするか?」と聞いてきた。「どうするも、こうするもない!早くここを引き上げるに決まっとる!!」「お土産の木彫りのドラゴンも触るのが怖いくらいなのに!」・・・・・・。

つづく


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