マーシャル・アルノアルノ環礁
「祈る気持ちのアルノアルノ」


2005年 9月 今林 忠義

福岡を出てGUAMで1泊、次の日早朝GUAM発。夜7時すぎにマーシャルの首都マジュロに付きました。福岡〜GUAMは3時間半。辛抱するほどの時間ではないが、GUAM〜マジュロは生活路線のため、各駅停車。チュイック(トラック)、ポンペイ(ポナペ)コスラエ、クワジュリンを経由してのバツゲームさながらの長丁場。おまけに皆さんご存知の愛のひとかけらも感じられないコンチの機内食・・・。やっぱりバツゲームだ〜っ!!。
空港の荷物チェック後、ロビーに出ると、以前お世話になったナベちゃんが人なっこい笑顔でニコニコしながら出迎えてくれました。このナベちゃん実は若松の出身で、現在東海大の現役学生・・・?? 何故かマーシャルダイブアドベンチャーでガイドをやってますが、何でも笑って済ます憎めない性格と小太りでふっくら顔がみんなの間に安心感を生み出しトラブルもなく、わき合いあいの、楽しいツアーになりました。初日の1本目は言わずとしれたチエックダイブ。インナーリーフの流れのない無難なポイントで潜る。
2本目はいよいよ外洋のポイントでシャークストリートへ。ここの命名はたまたま調査ダイブで潜った際にサメが多かったとのことで、いつもウジャウジャいるわけではない。ポイントへ向う際はインナールーフからパスを通り抜けて外洋へでるが、海の色の違いに皆さん大感激。いろんなツアーを経験したダイバーさんでもこの色は息を呑まずにいられない心に残る青である。エントリーし、水面から下を見る。30m以深の海底の様子が鮮明に分かる。遠視とは関係無い。一面見渡す限りのテーブルサンゴ。ドロップオフの先は吸い込まれそうな青の世界。潜降時は深度を確認しながら潜らなければいつの間にか皆より遥か下にいる事になる。浮上後ボートの上でひと時の沈黙・・・。皆さん感激のダイビングでした。
3本目のダイビングを終了しホテルに帰り即、フロントへ。実は訳あって部屋をコテージタイプに変更してと頼んでおいたので、部屋番号を確認しコテージへ向う。ここでトラブル発生!!ク〜ッ!!部屋へ移し変えたはずの荷物の中で同じ部屋の2人分の洗面用具一式がない!!フロントへ・・・『うちの大切なお客様の洗面セット無くして如何してくれる!! 』といいたい所。  
夕食から帰るとフロントから電話で『こちらに来てくれ』。早速行くと奥のローッカーからビニール袋を取り出し、確認せよと言う。開けてみるとそれらしきバッグが入っていた待てよ、確かHさんはピンクのビニールの袋に入れていたと言っていたが・・・?早々持ち帰り『Hさんこれですか?』と尋ねると『あ〜っこれこれ。これよ〜!!』私の記憶が間違いなければ4回はピンクのピンクの・・と聞いたはず??いつの間にピンクがキイロに変色してしまったのか?まあ人の記憶と思い込みは信じてはいけないと実感した。
晴れて解決しその夜はお酒のせいもありグッスリ眠る。2日目もインナーと外洋を3ダイブ。3日目はマジュロから1時間半の環礁、アルノへ遠征です。前回行って大感激の海だったので皆に是非見てもらいたかった。この遠征の為に来たといっても過言ではないくらい素ッ晴らし環礁です。
No1ポイントのアルノアルノに到着。『エエエエ〜ッ』違う!少々どころか全く前回の海の色と違う。『今一ですから他を潜りましょう』オーイ!!今一では済まんぞ〜っ!!このままだと俺は嘘つきジジイになってしまう。『今度のツアー先は・・』といった途端、『まぁ今林さんの言うことは話半分に・・』なんてことに・・・。
私のせいでも・・・いや私のせいである。ツアー先のシーズン性を調べ最高のコンディションで潜ってもらうのは企画した者のせいにキマットル!!  ク〜ッ天にも祈る気持ちで1本目のポイントへ移動する。
同じリーフを1kmほど移動し潜る。幸い透明度もまぁまぁの30m。白い砂がエッジへと落ち込みドロップオフへ消えていく。そのエッジと壁を移動する。浮上に掛かる前に白い砂の上に1.5mを超えるレオパードシャークが日向ぼっこをしているのを男性のKさんが見つける。見つけるといっても教えてくれたわけではなく、1人写真撮影に没頭している。皆が何を撮っているのかな〜と近寄って初めて大物と分かった。ひとしきり撮影して浮上後は上陸しお昼と散策をする・・・。さて問題の2本目、アルノアルノへ移動するが胃が痙攣するような思いを笑顔でかくし、悟られないように祈る。祈る!ひたすら祈る!果たしてアルノアルノは・・・・・。
私の祈りが天に通じたのか素ッ晴しい色を呈して私たちを待っていてくれました。ボートの上から水深20mまでの真っ白い砂が見えます。その先のドロップオフは真っ青でどこまでも深い紺碧完璧。白と青のコントラストが何ともいえない感動を私たちに与えてくれます。参加の皆さんも船上から『わ〜っ!!綺麗〜っ!!』の歓声が上がります。私がこの30年間で行った数多い国内、海外の海の中でも☆☆☆☆☆をあげれる最高の海です。ここでのダイブは最初から最後までバディ同士の自由行動。私とナベちゃんは白い砂の真中でホーバリング。皆さんには私たちが見える範囲で各々楽しんで頂きました。太陽光がサンサンと降り注ぎ水中にいるのを忘れさせるほどの明るさ、水深15mあたりから斜め上のボートがはっきり見えます。ボートのドランザムに立っているクルーの姿もはっきり見えます。ホーバリングする私の影が砂に写っています。なんて素晴らしい光景でしょう。
なんだかんだでアッという間の4日間が過ぎて行きました。帰りはまた、バツゲームさながらの超辛抱フライトです。行きに2日、帰りに2日の移動時間がもったいないような気もする行程ですが、行けば分かる納得ツアーだと思っています。次回は是非、ご一緒しましょう!!まだまだ面白い話は沢山あるのですがこの辺で・・・。 



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