緊急報告!!
スクーバタンクが危ない。
<6351アルミタンク破裂事故の情報と当店の対応>
緊急報告
2001年、GW前の4月下旬、
NHKのニュース特集の中で宮古島にて発生したアルミタンク破裂に関する報道
があり驚かれたダイバー・ノンダイバーの方も多数いたのではないかと思います。この事故に関するいろいろな情報が錯綜するなか当店では正式なラクスファー社からの世界におけるアルミタンク破裂に関してのQ&Aを入手いたしました。
「6351アルミ合金からなるLuxferボンベのSLCクラック割れと破裂に関して頻繁にあった質問とLuxferの回答」と書かれた副題から始まり、生産本数と破裂事故件数や各国の耐圧検査に関する現状などが分かりやすく説明されています。
要約しますと
●6351アルミ合金タンク
過去30年間にその他のメーカーを含め3千万本以上製造された6351アルミ合金ボンベの内、17本がSLCクラックあるいはその疑いで破裂したと報告されています。また、これらの破裂したボンベの内、8本がわれわれに関係ある潜水用ボンベであり、4本がアメリカ、1本がオーストラリア、1本がニュージーランド、1本がカナダ、1本が今回の宮古島とあります。
● SLCクラック「Sustained−Load Cracking」
持続した荷重のために生じる割れは他のメーカー製造の6351アルミタンク合金にも発生している。この現象は外傷を受けたボンベや高圧過充填を繰り返したり乱雑に扱われたボンベはSLCをもっと受けやすい。
※SLC現象は製造上の問題ではなく、金属その物の性質による現象である。
※ 歴史的に見ると、破裂事故の原因としてSLCクラックが最も影響している用途はスクーバ潜水ボンベである。
●国内における検査
1、 現在、日本におけるスクーバ用ボンベの検査は、充填時にその設備の人が行う音響検査、外観目視検査、内視検査などがあります。
2、 この他、許可を受けた設備が行う5年に一度の耐圧検査があります。
※ 耐圧検査に合格した場合でも向こう5年間の安全を保障するものではありません。
● 製造者の対応
1、この6351アルミ合金製のボンベは1990年4月以前の製造であって、1990年4月以降はSLCクラックが発生しにくい6061アルミ合金製のものに替わっている。
● ダイブショップ、リゾート、エァー充填所の対応
1、 1990年4月以前のボンベの破棄。
2、 年間充填回数の多いボンベを規定回数を決め、その充填回数がその数値に達した場合破棄する
3、 使用年数が10年をすぎたボンベは破棄する
以上の方向で検討されています。既に、1990年4月以前のボンベの破棄を完了したところも多く、近々姿を消すことでしょう。
● ダイバーとしては
1、 自己所有の1990年4月以前のボンベは近くのダイビングショップに持参し、処分依頼をする。
2、 リゾートなどでのレンタルボンベで1990年4月以前のものを見かけた場合、取り替えてもらう。
3、ボンベの肩の部分に刻印されている「9-00」などの製造耐圧検査、年、月を確認する。
4、 既に何回か耐圧検査を受けたボンベにはその回数分の検査、年、月が刻印されています。その中に「3-89」などの1990年4月以前の刻印が確認された場合は使用しないほうが懸命です。
5、 乱雑な取り扱いをしない。
6、 直射日光に長時間、放置しない。
以上のような自己防衛が必要でしょう。しかし、業界全体で前向きに対処中ですので、今後、この様な事故も世界的にも減少すると考えます。
当、
バディロープでは2000年11月に32本の対象ボンベを確認し、既に廃棄処分、新品交換を完了しています。どうぞご安心下さい。